前回、段位認定をやると書いてしまったが、急遽変更しようと思う。
内容は、タイトルの通り、「運指」というものだ。今回は、そもそも運指とは何かと、どんな種類があって、それぞれどんな特徴があるのかを解説していこう。
なんで変えたかというと、早めに固めた方が良さそうだなと思ったからだ。
なお、解説は1P側(左側)で行っていく。2P側(右側)は私もできないので、もし知見がある方がいらっしゃったら、補足してくださるとうれしい。
対象者と本記事終了後の目標
今回は、とりあえず手元を見ずに鍵盤や皿を操作できる状態以上の人を対象にする。もちろん、初心者に限らず、まだ運指を組んでいない人は、そのメリット・デメリットを参考にしてほしい。
目標は、とりあえず運指ってそんなもんなんだなってのが分かってもらえればいい。また、実際に練習を始められるくらいには解説していく。
「運指」って何?
さて、そもそも「運指」とは何だろうか。まあ、名前から想像できるかもしれない。
運指とは、鍵盤をたたく指を決めてプレイするスタイルのこと。
幾つか種類があるのだが、その前に、この運指自体のメリット・デメリットを見ていこう。
運指を決めるメリット
運指を決めないと、どの指で叩くかその時にならないと決められない。
つまり、譜面を見てから叩くまでに一個思考が入る。
それに対し、運指を決めると、鍵盤ごとに叩く指が決まる。
指が決まると、鍵盤が来たときにその指を動かせばいい。
つまり、叩くまでのプロセスが一つ減るので、非常に楽になるのだ。
この効果は非常に大きく、特に音楽ゲームは、一瞬一瞬で判断を次々にしていく必要がある。
その処理を減らすために、運指は非常に強い。
そして、もう一つ。運指は、基本的に小指以外を使って鍵盤を捌くものが多い。つまり、使える指が増えるのだ。
意識してないと、人差し指と中指、たまに親指くらいしか使わないのではないだろうか。
でも、例えば1P側の右手は、基本的に親指~薬指がフル稼働になる。
つまり、それだけ指一本の負担が減るし、同時押しなんかも無理が無くなる。
特別な理由がない限りは、運指を組んだ方がいいだろう。
運指のデメリット
さて、メリットを読むと、「デメリットなんて無いんじゃない?」と思われるかもしれない。
しかし、実際にはデメリットも存在する。これも一応把握しておいてほしい。
デメリットとは、運指にとらわれすぎると、崩すことができなくなる。
つまり、柔軟性が失われ、対応できない譜面なんかが出たときにお手上げになってしまうのだ。
例えば、鍵盤に強い運指しか使っていないと、皿が降ってきたときに対応が難しくなってしまう。
そのため、最低でも2種類、鍵盤メイン用と皿メイン用は用意しておかなければならない。
…この対応方も一応ある。結局、一つに囚われるのがいけないので、全部マスターすればいい。が、それはあまり現実的ではない。
ちなみにだが、初っ端から説明せずにとりあえず決めない状態でやってもらったのは、この崩す、という感覚を先に掴んでもらいたかったからだ。
運指の種類
さて、上に書いた通り運指には色々な種類がある。
で、皿と1~7鍵それぞれに指を割り当てるので、その書き方を決めておこう。
コロンを挟んで、左に皿や鍵盤、右に指を書いていこう。また、最初に書いた通り1P側で解説をしていく。
北斗運指
一つ目だが、いきなり例外だ。これは、特に型を決めず叩くもの…つまり、実は運指を決める前の状態がこれだ。
メリットは、練習がいらない。デメリットは、上に書いた、運指を決めるメリットが丸々消えると思ってくれていい。
左右対称固定
名前の通り、右手・左手を対象的に鍵盤に置いて叩く。鍵盤と指の割り当ては以下の通り。
- S:なし
- 1:左薬
- 2:左中
- 3:左親
- 4:左人 or 右人
- 5:右親
- 6:右中
- 7:右薬
これは、鍵盤特化の運指なので、皿が一切降っていない部分に対しては非常に強い。ただし、皿に何も割り当てられていないため、皿が来たら崩さなければいけない。
これを使う場合は、必ず皿用の運指も用意しよう。
3:5半固定
これは、左右対象固定とは逆に、皿に強い運指だ。割り当ては以下の通り。
- S:左薬 or 左小
- 1:左親
- 2:左人
- 3:左親 or 右親
- 4:右人
- 5:右親
- 6:右中
- 7:右薬
見てわかると思うが、鍵盤7個に対し、指が6本しか割り当てられていない。そのため、鍵盤力は多少落ちる。
その代わり、皿を取りながらの運指なので、皿が絡んでくる譜面に対してはかなりの強さを発揮する。
よく、左右対称固定と組み合わせて使用されることが多い。私もこの二つだった。
1048式
としやしき、と読む。この特徴は、使い方によっては皿含め、全てを完璧に取れる。対応を見ていこう。
- S:左薬 or 左小 or 左手首
- 1:左親
- 2:左中
- 3:左人
- 4:右人
- 5:右親
- 6:右中
- 7:右薬
皿がよくわからないことになっているだろう。手首って何ぞやと。
手首皿とは、その名の通り手首で皿を回すことだ。これには、なぜか批判意見が多くみられるが…まあそこは気にしなくていいだろう。
ただ、実際やろうとするとめちゃくちゃ難しい。私は過去に挫折したことがあるので、個人的にはオススメしない。
で、1048式のメリットだが、上に書いた通り全ての鍵盤が完全に一つに決まっており、皿まで対応できればこれ一つで全てが解決する。
デメリットだが…人によっては皿がこれだけでは取れない。特に、手首皿ではどう頑張っても連皿(皿が連続で複数枚来る譜面)を対応するのは難しい。
3:5半固定など、他の運指を取り入れることを検討してみよう。
オマケ:DOLCE式
オマケと書いたのには理由がある。正直、初心者がいきなりこれを使うメリットは薄い。
対応は以下の通り。ちょっと1048式に似ている。
- S:なし
- 1:左中
- 2:左人
- 3:左親
- 4:右人
- 5:右親
- 6:右中
- 7:右薬
見てもらってわかるが、対応だけ見ると1048式の劣化版に見える。鍵盤と指は綺麗に1:1なのだが、皿が完全に取れない。
他の運指に比べ、上級者向けの運指なので、極力最初はこれをメインにするのは避けた方がいいかも。
オマケ:多指北斗
もう一つオマケを。多指北斗というもの。これも、北斗と同様、明確な対応があるわけではない。
が、こちらは究極の運指だ。恐らく、トップランカーの運指がこれにあたる。
何者かというと、鍵盤と同数程度、あるいはそれ以上の数の指を、鍵盤に対応させることなく使用する、というもの。北斗と比べて鍵盤に対応する指の数が多い。
で、これだけ見ると「え、じゃあこれ練習すればいいじゃん」と思われるかもしれないが、その練習方法が問題なのだ。
これ、難しすぎる。狙ってできるものでもない。
練習方法は…しいて言えば、一つでも多くの運指をマスターすること。まあ、最終目標として掲げるのはいいかも。
運指の練習方法
さて、運指を決めたら、練習をしていこう。
練習方法は、とても簡単。運指を決める前にやっていたレベルより、一つか二つ下の確実にできるレベルで、ひたすら運指を意識して叩くだけ。
このときの注意が、「余裕がある状態で練習する」ことだ。一杯一杯の状態でやっても、変な形で覚えてしまいかねない。
で、できるようになるとどんどん上のレベルができるようになる。
ここで大事なのが、色々な譜面を触ること。前回にも書いたが、同じ譜面はあまりやらないようにしよう。理由は、次回にする。
おわりに
今回は、運指を決めることのメリット・デメリットと、具体的な運指の紹介をしてきた。
これができると、一気に成長スピードが上がるので、是非参考にしていただきたい。
さて、次回こそ今回できなかった「段位認定」について触れようと思う。あと、ちょっと厄介な「癖」というものも解説するつもりだ。
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それでは。
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