前回、なぜモチベーションが低い状態になってしまうか、というのを解説した。
もう一度書くと…
- モチベーションが上がらない理由:メリットが分からない、デメリットがない
- モチベーションが下がる理由:負荷がかかってつらい、忘れて面倒になる
こんな感じだった。
では、どうすればいいのか。今回は、その解決策を考えていこう。
宿題
前回の最後に、宿題を出していた。
実際にあなたが今始められないこと、あるいはなかなか続かないことに対して、なぜそうなってしまっているか考えてもらった。
私の実例をお見せしよう。
やるメリットが分からないもの
これは、資格勉強だ。具体的に言うと簿記。
前々からやろうとは思っているが、いざ実際にそれを勉強して何に使えるのか、という部分が未だにはっきりしていない。
そのため、重い腰が上がらない。
やらないデメリットがないもの
…上の資格勉強がこちらにも入ってくる。
確かに簿記をやれば、何かしらのメリットはあるだろう。
しかし、別にやらなくても、今困っていない。つまり、やらないデメリットがないのだ。
辛くなってしまったもの
前回の例でも出した筋トレだ。
一旦始めたはいいものの、なかなか習慣になるまでがつらい。
そして、そのつらさがやる理由に勝ってしまい、結局まだ再開できていない。
…そろそろ体重も人生最高値を更新するほど増えてきたので、本当に再開しなくては。
忘れてしまって、面倒になったもの
これは、見てくださっている方にも分かってもらえると思う。
テレビでよく、「この食材が健康にいいんですよ!」とやっているのを見かける。
で、その次の日くらいはまだそれを探して、あったら買って食べたりしているのだが…
どうも、その後もう数日経つと完全に忘れてしまう。
最近の例でいうと、薄皮付きピーナッツが花粉症に良いらしい、というものだ。
その翌日くらいは、それはもう全力で食べていたが、今はもう完全に忘れていた。
というか、今これを書いている時もよく思い出せたな…と感じているくらい。
そして、これはもう一つある。実は、一回だけ囲碁成長記録なる記事を投稿したことがある。
なんか始めたいと思って始めた囲碁だったが、もう完全に放置状態になっている。
一度下がったモチベーションが、なかなか持ち直せていないのだ。
私はこんな感じだった。皆さんはどうだっただろうか。
解決法
では、これらを解決するためにはどうすればいいか見ていこう。
なぜやるのかを「納得」する
一つ目、やるメリットが分からない、というものに対する解決策だ。
これは非常に単純で、分からないなら調べればいい。
そして、それに自分で納得いくのであれば、それがはっきりとした動機になる。
ここでのポイントは、「自分が納得できるものにする」という部分だ。
こういうメリットがあるよ、と言われても、それが自分にとってどうでもいいことであれば、効力はない。
例えば、資格勉強で「これができると○○って仕事もできるようになるよ」と言われても、その仕事に興味がなかったら意味がない。
逆に言えば、他の人が「はぁ?」と思うようなものでも、自分さえ納得できていればいい。
納得できれば、それがプラスの感情となってモチベーションを上げてくれるだろう。
現状を見つめ直す
これは、主には二つ目のやらないデメリットがないことに対する解決策だ。
前回の説明では、そのままでも今の生活は送れる、ということを書いた。
これは、暗に「今の生活に問題がない」と仮定していたものだ。
実際はどうだろうか。改めて考えると、案外問題が発見できたりする。
前回出した筋トレの例では、やろうとした理由に運動不足だからというものがついていた。ということは、今は運動していない。
今すぐには支障は出ないだろうが、その生活を続けていると、肥満や生活習慣病などの問題が発生してくる可能性だってある。
本当は、やらないと問題があるのだ。これはしっかり考えないとなかなか認識できない。
で、問題が発見できたら、それが解決できたらどうなるだろうか、考えてみよう。
きっと、今より良い日常が待っているはずだ。その期待を、モチベーションに変えてあげよう。
逆に、問題が分からないといった場合だが…その場合は、そもそも本当にしたいことなのだろうか?
というのも、やらないデメリットがなくてもやる場合、やるメリットが非常に大きいことになる。趣味がこれに当てはまるだろう。
モチベーションが上がらず、かつやるメリットがあってやらないデメリットがない場合は、本当にそれをすべきなのか、考え直してみよう。
なお、ここまでの2項目については、紙に書くかPCのメモ帳などに残しておくといい。後で使える。
負荷を下げる
三つ目、つらくなったパターンの対処。まあ、これも当然と言えば当然の内容だ。
前回書いた通り、そもそも始める段階で負荷がかかっている。それ以上に内容がつらくては続かない。
だから、無理にやろうとするのではなく、できる範囲で。
最初は継続することが当たり前の状態に持っていくことを意識した方がいいだろう。
リマインダを設定する
四つ目の、忘れて面倒になるパターン。
これは、忘れるなら思い出せばいい。先に携帯の通知機能なんかで定期的に思い出すようリマインダを設定してあげればいい。
ただ、これでも面倒さはあまり解決できないだろう。そこで、最初二つの対策で残しておいた内容の出番だ。
やることのメリット、やらないことによる隠れたデメリットをもう一度認識することで、再度やる気が復活する。
これは、上がったものを下げないのではなく、一度下がってしまったものを再度上げようという考えだ。
最初に納得した理由を見直せば、「ああ、そうだったな」と、その時のやる気を思い出して、もう一度アクセルを踏める。
どうしても下がってしまう場合は、下がってもいい、また上げればいいんだと開き直ってしまおう。
解決法まとめ
最初始められないことに対しては、理論的なストッパーが抑え込んでいる。
だったら、それに対してプラスの感情をぶつけて外せばいい。
続けられないことに対しては、嫌な感情のストッパーだ。
だったら、その嫌な感情を緩めるか、プラスの感情で再度底上げしてあげればいい。
そもそも、人間は感情で動く生き物だ。
理論ストッパーにはプラスの感情が効くし、そもそも嫌な感情で下がるのはしょうがない。だからこそ、もう一度上げ直せばいい。
最終手段
ここまでは、モチベーションを自然な状態で上げる、あるいは保つ方法を一通り解説してきた。
ここまでの内容でできるようになった方はそのまま継続してもらいたい。
で、ここからは上記の内容ではどうしてもできない、という場合だ。
無理やりにでも、その内容をやらなきゃいけない。でも、どうしてもできない場合。
これは、若干自分の感情を捻じ曲げるほどのことをするので、いわゆる最終手段として認識しておいてもらいたい。
お金をかける
サンクコストという言葉を聞いたことがあるだろうか。日本語で言うと埋没費用。
これは、すでに使ってしまい、もう取り戻せないお金のことだ。
で、これをわざとやりたいことに対して使う。
すると、「こんだけお金使ったんだからやらなきゃ…」という感覚になる。サンクコストバイアスという名前もついている。
もう取り戻せないお金に対して、それに見合った成果を求める心理だ。これを使うと、嫌でもやる気にさせられる。
このサンクコストバイアスは、実例で感じてもらった方がいいだろう。
オンラインゲームを思い浮かべて欲しい。
課金をしたことがあるだろうか?実際のお金を使って、そのゲーム内のコンテンツを利用するものだ。
で、一度これをすると、なかなかそのゲームをやめられなくなる。
「折角お金を払ったんだから、その分楽しまなくては」となるのだ。
通常は昔高値で買った今では着られない服が捨てられなかったり、ギャンブルに負けているとやめられなかったりという例に使われるが、うまく使ってあげるとプラスに働いてくれる。
他人のためにする
これが究極的な方法だ。
これまでは、やらなくても被害が自分だけだった。つまり、他の人には一切迷惑をかけていない。
…だからこそ、モチベーションが切れやすいのだ。
だったら、やらなきゃ他の人が困るような状況にしてしまおう。
そうすると、その人に迷惑をかけるわけにはいかないだろう、嫌でもしなければいけない。
会社の仕事が例だ。自分が仕事をしなくては会社や周囲の人が困る。だから、仕事をする。
モチベーションが上がらないからと言って仕事をサボるわけにもいかない。
自分の意思とは関係なく、やらざるを得ない環境に身を置くことで、強制的にやらせることができる。
…とはいえ、これはやりすぎるとストレスが過大にかかってしまう。最悪の場合、うつなどの精神的な病気も考えられるので、ほどほどに。
おわりに
今回は課題編を踏まえ、どうやったらモチベーションを高い状態にできるかを解説してきた。
また、後半ではモチベーション関係なしに、強制的にやらざるを得ない状態にする最終手段もお伝えした。
趣味やちょっとした習慣づけであれば最終手段は必要ないと思うが、会社での資格勉強や新しいビジネスを始める場合なんかは後半の手段も必要になる場面があると思う。
是非、今現状がどうなのか、なぜやる気が出ないのかを明確にしつつ、これらの方法を参考にしていただきたい。
オマケ:ぼくのかんがえたさいきょうのほうほう
最終手段について、「じゃあ具体的に何をすればいいの?」と思われる方もいらっしゃるだろう。
そこで、私なりにだが、実際に使える具体例を考えてみた。
自分にもできると思ったら、参考にしてみて欲しい。
サンクコスト
これは、本を買って、読もう。
本を買うという金銭的なコストと、読む時間コスト、体力や集中力のコストなど、多くのコストがかかる。
だからこそ、そんな本まで読んだのだからやってみよう、という気になれる。
ただ、1冊では金額も少ないので、足りなければどんどん新しい本を買って読む。
すると、その積み上げでかなりの金額になる。それを見れば、「ここまでやっちゃったし…」となるだろう。
それでも無理な場合は…例えば英会話やダイエットなら、そのコースに通うというのも手だ。
コースに通うことこそ、かなりのお金と時間がかかる。
某有名なダイエットジムのライ〇ップなんか、とんでもない大金が必要になる。公式サイトを見たのだが、3か月で40万を超すそうだ。
そんなお金を払うのだから、結果にコミットしてもらわなければ納得がいかない。だからこそ、頑張れる。
なお、当然だが技術もかなり信頼がおけるものだそうだ。本気で痩せたい方は調べてみよう。
他人のために
私が今まさにやっているように、ブログなどへ内容をまとめて公開するのが選択肢の一つだろう。
最初のうちは非常に少ない閲覧数だが、それでも見に来てくださった大事なお客様だ。
そんな大事な方に対して、途中でやめて迷惑をかけることなんてできないだろう。
これは他の効果もあり、勉強であればやった内容のアウトプット、挑戦記録などであれば自分を振り返ることにも使える。
一石二鳥の方法なので、かなりオススメだ。
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