この記事は、初めてVOICEROIDなどの読み上げツールを用いて動画を作り、投稿するまでのサポートシリーズの一つだ。
だが、今回の内容は、すでに投稿をしている方にとっても再確認という意味で有用だと思う。
初めての方は「そんなところも気を付けなきゃいけないんだ」、経験者の方も「自分は大丈夫だろうか」という視点でお読みいただけると幸いだ。
というわけで、今回は動画投稿時の最低限の心得として、利用規約について書いていく。
利用規約自体はなかなか難しいとは思うが、どういったポイントに気を付けなければいけないかを重点的に見ていこう。
なお、本文中にも書いているが、ポイントは解説するものの確認自体は全文必須だ。
そこは勘違いしないよう、気を付けていただきたい。
また、確認して、実際に守らなければいけないのは今この記事をご覧になっているあなたであり、本記事を参考にしたとしても、もしこの利用規約関連で何かトラブルが起こっても私は責任を負えないので、そこもご了承頂いた上でご覧いただきたい。
そもそもの話ではあるが、私はこういった法律等の専門家ではない。
あくまで、一投稿者の意見として、そして一つの読み物としてお読みいただきたい。
動画製作時に使うもの
さて、動画を作る時に、私の場合ではあるが必ず使うものを挙げてみよう。
- 動画編集ソフト
- ソフト本体
- ソフトに導入するプラグイン
- VOICEROID(他、読み上げツール)
- 画像、音声等の素材
- (ゲームが題材になっている場合、その)ゲーム
- (PCの画面を録画する場合、)録画ツール
これが全てではないが、最低でもこのあたりは使用するだろう。
私が最初そうだったので、録画ツールはちょっと盲点だった、という方もいらっしゃるかもしれない。
まとめ記事の方にも書いたが、これら全てを自作できる方は今回の記事は関係ないお話になる。
が、そんな方はいないだろう。
というわけで、誰もがこの全て、あるいは一部については他の方や企業などが作成したものを使うことになる。
今回の記事では、これらに区別をつける必要はないので、「外部素材・ツール」という呼び方でこれらを総称することにしよう。
外部素材・ツールの利用規約
基本的に、という接頭語はついてしまうが、この外部素材・ツールには、利用規約というものがある。
その外部素材・ツールを使う時には、これは守ってねという決まりのことだ。
これは各外部素材・ツール一つ一つに存在することもあれば、ある製作者が「自分が作ったものはこれが規約だよ」という形で一括に設定していることもある。
簡単に言ってしまうと、今回のお話はこれをしっかり確認して、守ろうねというだけだ。
これだけで把握して今後守れそうなら、その時点でこの記事は閉じてしまって構わない。
ここからは、イマイチピンと来ない方向けに深掘りしていこう。
何をどう確認するか
私の場合で書いていくが、何かしらの外部素材・ツールをダウンロードするとき、必ずその対象の利用規約を確認する。
その中で、まず見るのは以下の項目だ。
- 利用して製作したものの公開可否
- 可の場合、追加で以下の内容を確認
- 公開可能な範囲
- 商用利用、非商用利用の条件
これらを見終わった後に、その他全文を確認する、という流れで進めている。
それぞれの詳細を見ていこう。
利用して製作したものの公開可否
まず、そもそもその対象を利用して製作したものを公開していいのか、という部分を確認する。
普通に考えると、その素材を公開しているのだから大丈夫でしょ、と思われるかもしれない。
しかし、中には個人で楽しんでもらうためだけに公開されている素材もある。
典型的な例でいくと、VOICEROIDの一つ、「VOICEROID+ 鷹の爪 吉田くん EX」がこれにあたる。
こういった実例もあることから、ここの確認が必要なことは分かってもらえると思う。
また、これはゲームに多いが、公開自体はいいけど必ず独自の内容を加えてね、という内容になっていることもある。
これは、例えばゲームのBGMをただ流すだけの動画はやめてね、という感じだ。
実況や解説の形にすれば独自性が加わるので、基本は問題ないと思う。
あるいは、ゲーム機によっては一定時間の録画が可能で、それを本体の機能によって投稿できるようなものはゲームの映像そのままでもよい、という規約も見かける。
まあ、ここだけ見ても色々な形はあるが、それは実際に確認すればいい。
これで確認して、使って問題ないなとなれば、次の確認事項に進んでいこう。
公開可能な範囲
これが、初めてだとピンと来ないかもしれない。
素材と今まで一口に言ってきたが、そもそも素材を配布するサイトはたくさんある。
その中で、例えばニコニ・コモンズというサイトがある。
名前から分かるかと思うが、ニコニコ動画と関連しているサイトだ。
こういった動画サイトと関連している場合(以外もあると思うが)、特定の動画サイトにしか投稿しちゃダメだよ、という規約になっていることもある。
つまり、上のニコニ・コモンズで他サイトでの公開が不可な場合は、ニコニコ動画には投稿できるがYouTubeには投稿できない。
こういった、どこのサイトで公開していいのか、という部分についてもしっかり見ておこう。
商用利用、非商用利用の条件
恐らく気になる人が多いであろうこの商用・非商用周り。
ここも、非商用なら無条件でOKだけど商用利用はNGだよ、といった規約になっていることが結構あったりする。
例えばその動画を商品として売りたい場合なんかは、商用利用OKの素材を探さなければいけない、というわけだ。
ここで気になるのが、YouTubeのパートナープログラムやニコニコ動画のクリエイター奨励プログラムなどはどうなのか、と言う部分。
確かにお金は手元に入ってくるが、視聴者から直接金銭を受け取っているわけではない。
ちょっと、通常の商用と区別したいので、これらをまとめて「収益化」と呼ぼう。
で、この収益化は商用なのか、非商用なのか、という疑問があるだろう。
結論から言うと、これも一般的には商用に入る。
つまり、単に「非商用OK、商用NG」と書かれていれば、収益化もNGだという考えになる。
しかし、ここはその素材製作者によってもまちまちで、配布ページには商用NGと書かれていたが、Twitterで「収益化はOKだよ」と言っていた方も見かけたことがある。
また、そもそも利用規約内に「非商用OK、商用NG、ただし収益化は非商用とみなす」と書かれている場合もある。
この場合は、もちろん収益化しても問題ない。
ただし、これには一つ間違いやすい点がある。
収益化と一口にまとめてしまったので分かりにくくなってしまって申し訳ないが、特定のサイトでは収益化OKで、それ以外のサイトではNGだよ、というパターンも存在する可能性がある。
つまり、一例を挙げるとYouTubeでの収益化はOKと書かれていたからといって、ニコニコ動画のクリ奨が使えるとは限らないのだ。
もちろんだが、クリ奨もOKだよと明記されていれば問題ない。
こんな具合に、ここは細かく書かれていることもあるので、今自分が何をしようとしていて、それはどういう条件でOKなのか、そもそもNGなのか、というところをしっかり見ていこう。
その他全体
上までの内容が問題なければ大抵使って大丈夫になるが、その後念のため全体も必ず確認しておこう。
私はするつもりがないのでさっと確認する程度ではあるが、例えばその素材を改変していいかや、その改変したものを配布していいかなども書かれていることが多い。
他にも、ゲーム実況で題材にしたいゲームについては、ネタバレはしないでねという規約になっているものもある。
そういったことを考えている方は、そこもしっかり見ておくこと。
全体も確認して問題なければ、そこで初めて動画に使えると判明したことになる。
上までの内容だけを確認しておけばいい、というわけでもないので、そこは注意だ。
書かれていない場合
ここで一つ疑問が出てくる。
例えばYouTubeやニコニコ動画で収益化したくて確認したところ規約自体はあるが、その中に非商用や商用に関する記述が無い場合。
他にも色々あるが、要するに記述がないので、使っていいのか、使ってはいけないのかが判断できない場合だ。
この時は、一応その素材の製作者様に確認の連絡を入れるという手が一つある。
しかし、私の場合は、書かれていなかったら基本NGと捉えている。
例えば、「非商用OKだよ」のみ書かれていたら商用はNG、収益化は商用に入るので収益化もNGだ、というイメージ。
やっていいことがホワイトリストで規約に書かれている、という感じだろうか。
こうしている理由なのだが、恐らく同じように疑問に思う利用者はたくさんいるはず。
そういった方の問い合わせをすでに大量に受けていると思うし、それでも書いていないということは恐らくNGなんだろうな、という考えでやっている。
そうなると、もう一つ別の疑問として、そんな厳しい条件で探して欲しい素材が見つかるのか、というのもあると思う。
これが、案外見つかる。
今や動画製作は多くの方がやっており、それだけ多くの素材も存在する。
しっかり探せば、自分が欲しいものが、使える形で配布されているものも見つけることができるだろう。
ちなみに、私は今は収益化を考えていないが、今後するかもしれないという想定の元、基本的に任意のサイトでの公開と収益化がOKな素材のみを使用している。
が、それでも素材に困ったことがない。
この素材の探し方も本シリーズの中盤くらいで解説すると思うので、気になったらそちらを見てみて欲しい。
もう一つちなみにの話だが、素材配布サイトで特定の素材には商用利用の可否が書いてないが、その配布サイト側の利用規約で「個別の素材に設定されていなければ一括OK」という例もある。
なので、場合によっては配布サイト自体の利用規約も確認してみるといいだろう。
具体例は現時点でのものしか挙げれず、今後規約が変わってしまう可能性も十分にあるので挙げないでおこう。
これを知らないと、私が探す条件(任意のサイトでの公開OK、収益化OK)での素材探しが難しくなるので、覚えておくといいかもしれない。
おわりに
今回は、動画製作時に使う素材やツールなどの規約について解説(?)した。
結論は一言だけで、しっかり規約を確認して守ろうね、というだけだ。
ここはかなりデリケートな話で、以前は実況動画は全てグレーだったと言われていたこともある。
しかし、最近ではゲーム制作社が「実況OKだよ」と言ってくださっているところも多くある。
そういったこともあり、動画製作が非常にやりやすくなったと言えるだろう。
これを破ってしまうと様々なトラブルに発展したり、信用を失ってしまったりするので、常に細心の注意を払いながら進めていこう。
そもそも、こういった素材を使う前にその素材を作ってくださった方がいて、その方が作ってくれたおかげで動画製作者は動画を作ることができている。
逆に言えば、そういう方がいらっしゃらなかったら、動画はこんな簡単には作れない。
そういったところを忘れずに、約束を守って使わせていただくようにしよう。
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