この記事は、初めてVOICEROIDなどの読み上げツールを用いて動画を作り、投稿するまでのサポートシリーズの一つだ。
前回は、編集ソフトであるAviUtlの紹介を行い、これで実際に動画を作れる状態になった。
また、まとめ記事の方に追記する形で、最初に作る動画のジャンルをどう決めるかも更新した。
簡単に言ってしまうと、見たいものを作ろう、という話だ。
最初の視聴者は必ず自分自身になるので、自分で楽しめるものを作るのがいいだろう。
さて、復習はこのくらいで。
今回から、実際に動画を作り始める…と言いたいところだが、その前にもう一つだけ解説しておこう。
単に動画を作るとはいっても、その動画を構成する要素は色々とある。
一番シンプルな形だと、例えばゲーム実況でそのゲーム画面のみを映し、あとは読み上げ音声で実況する、という形。
これなら、特別他に素材は必要ないため、現時点で作りだすことができるだろう。
あるいは、最初ならこれでソフトの使い方やできることがどんなものか確認するのも十分アリだ。
しかし、もう少し凝りたいとなったとき、例えばキャラクターの立ち絵を表示したり、ゲームにBGMが無ければそれを追加したり、といったことが必要になる。
そのためには、それに使う画像や音声などの素材が要るだろう。
今回は、そういった各種素材をどうやって集めるか、という部分を解説していこう。
…とはいえ、基本的には素材を配布しているサイトの紹介がメインとなる。
そこで、好きなものを探すという流れになる。
この素材探しもシンプルに楽しいのが困りもので、私みたいにBGMを探して3時間経ってたとかならないようあまり時間をかけすぎないよう注意だ。
動画に使う素材
さて、まずはそもそも動画に使う素材には何があるのか、という部分から見ていこう。
ぱっと思いつくものになるが、ある程度分類すると以下のものに分かれるだろう。
- 立ち絵(読み上げツール固有)
- BGM
- 効果音
- 画像
- フォント
- シーンチェンジ
一旦はこんなものだろうか。
…一応思いついたので入れたが、シーンチェンジは私は動画には使ったことがない。
そのため、今回の解説対象からは外させてもらうので、そこはご了承願いたい。
立ち絵
まずは、読み上げツール固有の素材である立ち絵。
喋っているキャラクターの姿を動画に映すためのものだ。
で、ツールのPSDToolKitの項でも説明したが、これに色々と設定を行うことで表情を変化させたり、あるいは元々適したパーツが描かれていれば口パク、まばたきなども行えるようになる。
この立ち絵だが、基本的にはニコニコ静画で探すことになるだろう。
すでにたくさんの絵師の方がそれぞれのキャラクターの立ち絵を描かれており、さらにそのほとんどを無料で公開してくださっている。
もちろんそれぞれに利用規約はあるが、それを守れば動画で使わせてもらうことが可能だ。
その設定方法なんかは…後で解説する編集のしかたの中で紹介しよう。
なお、これも以前解説したが、立ち絵はPSDと呼ばれる拡張子で配布されていることがほとんどだ。
レイヤと呼ばれる層それぞれにパーツが描かれており、その表示/非表示を切り替えることで表情の変化などを行うことができる。
一旦は、そういう構造になっているという点だけ頭に入れておこう。
普通に開くためには対応したソフトが必要になるが、PSDToolKitを使えば他の準備は不要だ。
ちなみに、ここでDLした立ち絵について、作品IDをメモしておこう。
作品IDとはニコニコ動画関係のサイトで共通している作品の識別子みたいなもので、投稿時にコンテンツツリーという機能に登録することができる。
詳しくは投稿のしかたのところで解説するが、製作者の方に使わせてもらったよという通知を送ることができたり、そもそも規約で親作品登録よろしくねという内容が入っていたりすることも多いため、基本的には登録した方がいいだろう。
静画の場合、URLに含まれる「im(数字列)」という部分がIDになるので、テキストファイルなどにリンク・静画タイトルと共にまとめておくことをオススメする。
BGM
二つ目はBGM、これもゲーム実況で元々音楽がついている場合以外は使う場面が多いだろう。
これは、幾つかオススメのサイトがある。
まずはニコニ・コモンズ、これもニコニコ動画関連のサイトだ。
BGMで紹介しているが、ジャンルによらない動画素材サイトという位置づけなのでもちろんBGM以外にも豊富な素材がある。
また、ここはそもそも素材製作者の方が作品登録時に利用可能な範囲を設定するようで、素材ごとにどこまでの範囲で使用していいかが表示されるようになっている。
動画素材に特化しているだけあって、非常に使いやすい。
このニコニ・コモンズにもやはり作品IDがあり、同じくURLの「nc(数字列)」という部分だ。
次に、DOVA-SYNDROME。
ここは純粋なBGM素材特化のサイトで、楽曲数も非常に豊富。
楽曲自体も良質なものが揃っており、私も実際にこのサイトから何曲かDLさせてもらっている。
また、楽曲によってはループできる状態で配布されているものもあるため、それを使えば長さも気にならない。
もしかしたら、どこかで聞いたことがある、という楽曲に巡りあえることもあるだろう。
ちなみに、このサイトもニコニ・コモンズと連携しているようで、作品ページにニコニコの作品IDが表記されている場合がある。
ここでDLしたとしても、この作品IDを親作品登録することになるので、同じくメモしておこう。
もう一つ、ここは私が使っているわけではないが、有料でAudiostockというサイトもある。
料金は一番安い動画配信者プランというもので、月550円。
そこまで高い料金でもなく、それでいて非常に楽曲数も多いので、サンプルを聴いてみて気に入った楽曲があったなら登録するのも手だろう。
効果音
BGMと似ているが、音声素材としてあった方がいいのがこの効果音だ。
これも特化しているところがあり、効果音ラボというサイトだ。
日常生活の音からアニメ風の効果音まで色々と揃っているし、なんならつい最近も追加されている。
サイト上で直接サンプルを聴くこともできて使いやすく、ここ1か所あれば困らないだろうくらいには便利なサイトだ。
また、先ほども挙げたニコニ・コモンズにも効果音は色々と投稿されている。
大抵このどちらかにいい効果音は存在するので、色々と探してサンプルを聴いてみよう。
画像
立ち絵は上で紹介した通りだが、他にも少し画像を使いたい、という場合もあるだろう。
他の素材よりは必要な頻度は少ないと思うが、そんな場合でもやはりニコニ・コモンズがオススメ。
ワンポイント的なものから部屋の画像など背景に使えるものまで、多くの種類が揃っている。
というわけで、ニコニ・コモンズには音声、画像などの素材が非常に豊富だ。
最悪、ここ1か所だけで賄うことだって可能だろう。
あるいは、有名どころだといらすとやも候補に挙がる。
いらすとやは画像が独特で誰が見てもぱっと見で分かってしまうので、使うだけで軽く笑いが取れる場合もある。
が、しっかり見るとかなりの種類があって、実は(というと失礼だが…)普通に便利なサイトでもある。
選択肢の一つとして持っておくといいだろう。
フォント
見落としがちなのが、このフォントだ。
同じ動画でも、フォントが違うだけでかなり雰囲気が変わってくる。
特に、文字を多く出すであろう解説系の動画を作る際には、是非こだわりたいポイントだ。
で、フォントに関しては特定の配布サイトという形でまとめられていることが少なく、基本的にはWeb検索で直接探すことになる。
色々な動画を見て、このフォントいいなと思ったらそれを探す、という感じで進めるのがいいだろう。
私も入れているが、動画の最後や説明文に使った素材一覧を載せている動画も多い。
その中に使っているフォントを記載している投稿者もいらっしゃるので、そこで名前を見つけて探してみよう。
ちなみに、元々PCに入っているフォントを使用する場合でも規約の確認はしなければならないので、そこは注意だ。
素材の注意点
さて、大雑把ではあるが、それぞれの素材をどこで探すかを紹介してきた。
その中で欲しいものが見つかったらDLしてきて使えばいいのだが、その時に幾つか注意点があるので、それを見ていこう。
利用規約の確認
当然ではあるが、それぞれの素材にも利用規約は存在する。
もう何度も書いていて、過去の記事からご覧頂いている方にはしつこいかもしれないが…それだけ重要な部分なのでしっかり確認しておこう。
なお、ご自身で確認して欲しいためあえて触れていなかったが、今回紹介したサイトの中には個別ではなくそのサイト全体での規約となっているものもある。
例えば、「個別で規約が設定されていなければ当サイトの作品は全て商用利用可」といった具合だ。
ここに書いてしまうと規約が変わった際に直すのが面倒誤った情報を載せてしまうことになるので具体的なサイトは挙げないが、個別の規約と同時にサイト自体の利用規約も確認するようにしよう。
また、収益化を考えている場合には、やはり商用利用、あるいは収益化OKなものを選ぶように。
さらに、特にニコニコ関係のサイトに多いが、利用できる範囲(ニコニコのみやYouTubeのみの場合など)もしっかり見ておこう。
規約の記事にも書いたが、YouTubeの広告収入OKと書かれているからといって、(別で明記されていなければ)ニコニコのクリエイター奨励プログラムも同時にOKとはならないので注意だ。
保存する場所
これはダウンロードする素材に限った話ではないが、動画に使うファイルに関しては保存する場所にも注意する必要がある。
場所自体はどこに保存してもいいのだが、基本的に編集で使い始めたらその場所を動かせないと思った方がいい。
この場所というのは、それが入っているフォルダの名前変更も含まれる。
というのも、今回扱うAviUtlでは、編集でファイルを使うと、そのファイルパスが記憶される。
つまり、ファイルを移動すると記憶されたパスにはファイルが無くなってしまい、素材が読み込めなくなる。
一応再度指定することで使えるのだが、なかなかに面倒な作業だ。
そのため、素材はここに置く、というのをあらかじめ決めた状態で編集を始めるようにしたい。
なお、個人的なオススメは、各動画固有の素材と複数動画で使いまわす素材を分けて保存することだ。
先に動画編集のフォルダを作っておき、その中に素材フォルダを作っておく。
さらにその中に、分類ごとに素材を入れていく、という感じだ。
具体的に、私は以下のような構造で作業をしている。
- 動画編集系のトップフォルダ
- 各シリーズ(ジャンル)のフォルダ
- 各回のフォルダ
- プロジェクトファイル
- 読み上げ音声フォルダ(中に読み上げソフトの出力ファイルを配置)
- 使用動画フォルダ(ゲーム実況など、その録画ファイルを配置)
- その他固有素材フォルダ
- 各回のフォルダ
- 共通素材フォルダ
- 立ち絵フォルダ
- 画像フォルダ
- BGMフォルダ
- 効果音フォルダ
- などなど
- 各シリーズ(ジャンル)のフォルダ
こうすれば、共通素材の方は基本的には動かなくなる。
これをそのまま真似てもらっても構わないし、自分の好きな構造でも構わないが、そこから動かさないというところに注意しよう。
探しすぎに注意
これは私だけかもしれないが…素材を探していると、やはりいいものが多く見つかる。
で、目的を持って探しているならいいのだが、たまにその素材探しが楽しくてあまり関係ないものまで見始めてしまうことがある。
ようは、素材探しもシンプルに楽しいのでハマりすぎないよう注意だ。
逆に、なかなかしっくりくるものがない、という場合もゼロではないだろう。
その時は、あまり一つのサイトにこだわらず、色々なサイトを見てみるのがいい。
あるいは、自分で作れそうなものであれば、自作してしまうのも一つの手だ。
おわりに
今回は、動画に使う素材の探し方…というか、素材探しに使えるサイトをメインに紹介してきた。
私がニコニコ動画に投稿しているため、主にニコニコに関係したサイトが多くなってしまったのはちょっと申し訳ない。
が、それでも十分良質な素材は集めることができるだろう。
もちろんだが、YouTubeに投稿したい場合でも(その素材の規約がOKなら)ニコニコ関連のサイトで探すのは全くもって問題ない。
そして、今回紹介したサイトが全てでもない。
探せばいくらでも良いサイトや素材はあるはずなので、今回紹介した中にしっくりくるものがなくても諦めず、是非色々と調べてみて欲しい。
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