この記事は、初めてVOICEROIDなどの読み上げツールを用いて動画を作り、投稿するまでのサポートシリーズの一つだ。
前回は動画に使う素材の集め方を紹介したが、ようは配布サイトが色々あるので、そこから探すのがオススメだ。
これは前回書かなかったが、フォント以外はWebで直接探すのはあまり推奨しない。
理由は幾つかあり、例えば規約が分かりづらかったり、そもそも欲しい素材以外の情報が出てきて探しづらかったり。
そのため、基本的には配布サイトを見つけ、そこから探すのがいいだろう。
さて、今回から今度こそ本格的に動画製作に入る。
まずは、動画全体の構成と、読み上げツールで喋ってもらう台本の作成だ。
…とはいえ、これは作るジャンルによってやり方が変わってくる部分もある。
今回紹介するのは私の場合なので、一つの手段として見てもらえれば幸いだ。
あらすじを先に決められる場合
まずは、動画のあらすじを先に全て決められるパターンから見ていこう。
これは例えば解説や劇場などが該当するだろうか。
特にこの二つは、先に流れを全て決めて、そこから詳しい中身を考えていくことになる。
今回はこの解説と劇場を例に解説していく…が、劇場動画は作ったことが無いので、想像も含まれることはご了承願いたい。
考える順番は以下の通り。
- テーマ:その動画で何を伝えたいか、あるいは何を表現したいかを決める
- 流れ(目次):どういう順番で、何を話すかを決める
- 詳細:2で決めた各項目内で、具体的に何を話すかを箇条書き等でまとめる
- 台本:3で決めた内容をどう喋らせるか、台本を作成する
詳細を見ていこう。
テーマ
まず、その動画全体で一つテーマを決めよう。
解説なら何を解説するのか、劇場ならどういうシーン、あるいはキャラクターの感情などを表現するのか。
ここで決めたテーマに向けて今後の作業が続いていくので、先にはっきりさせておこう。
同時に、劇場だと少し難しいかもしれないが…その動画を見ることにより視聴者にどうなって欲しいかも合わせて想像しておくといいだろう。
劇場でもう少し具体的に書くと、その動画を見てどういう感想を抱いてほしいか、という感じだろうか。
感動して欲しいのか、共感して欲しいのか、ゾっとして欲しいのか、はたまた笑って欲しいのか。
こう書くと難しそうだが、似たようなことは日常生活でやっているはず。
何か出来事があったとき、他の人に「今日こんなことがあってさー」と話すことがあるだろう。
その時、その話した相手にどうリアクションを取ってほしくて話しているのか、という部分を思い返してみよう。
それが、この視聴者に求めるリアクションだと考えると少し思いつきやすくなるかもしれない。
で、これが決まる頃には、どういうシチュエーションを切り取った動画を作るかも大体イメージがついているはず。
解説系はこの点簡単で、何をどこまで理解して欲しいかがこれにあたる。
オマケで、解説の場合は読み上げツールをナレーションのように使うか、そこに登場するキャラクターとして使うかもここで決めておくといい。
キャラクターとして使用する場合や劇場の場合、その動画における性格も決めておこう。
ぱっと見や声で聴いた時の印象でもいいし、色々な動画を見て参考にするのもアリだ。
流れ(目次)
テーマや視聴者に与えたい影響が決まったら、次は動画の流れを考えていく。
これも解説は簡単で、理解して欲しい内容に必要な事項を並べていく。
解説内容によっても前後するが、私がブログでやっているブレワイのグリッチ技解説を例に考えてみよう。
テーマは当然その解説する技、視聴者には是非その技を使えるようになって頂きたい。
その場合、まずは技自体がどんなものなのかを見てもらう必要がある。
そこで興味を持ってもらって、実際にやってみたいと思ってくれた方には、そのやり方を提示する。
そして、なぜその操作で技が実現できるかという原理や、気を付けた方がいい点なども補足すると親切だろう。
というわけでまとめると、以下のような流れで動画を構成すれば理解してもらいやすそうだ。
- 技の概要
- やり方
- 原理
- 補足点
…実はこの構成そのままで幾つか動画を投稿しているので、気になった方は探してみると見つかるかもしれない。
あまりここで書くようなことではないが…動画投稿側では動画投稿側としての活動でやっていきたいので、ブログの読者様を私の動画に誘導するようなことはしたくない。
そのため、私が投稿している動画へのリンクは基本貼らないようにしている。
その逆もまた然りで、もし私の動画っぽいものを見つけても、コメントでブログから等と書くのは避けてもらえると幸いだ。
話が逸れて申し訳ない、元に戻して次は劇場系。
先ほども書いた通り私も未経験なので、これから私がやるとしたらの方法になることは承知しておいてほしい。
さて、シチュエーションまではなんとなく固まっているはずなので、その前後にどういう出来事を入れるか、というのを考えてみる。
例えば共感系で見てみよう。
何か無意識に多くの人がやっていることをはっと自覚して、それを動画にするという想定だ。
みんなもこういうことやってるよね?という共感が目的だ。
この時、まずはその行為を実際にして、自覚する部分が必要だろう。
そして、それを会話でキャラクターに話させる。
その後、その話した相手も同じことをすれば少し笑いも取れるかもしれない。
具体的な行動が決まっていないのでふわっとした説明で申し訳ないが、恐らくこんな感じで進めると思う。
まあ、ここは他にも色々と考えてみて欲しい。
詳細
ここまでで、動画を大筋レベルでどう展開させるかまで決まったことになる。
ここからはより具体的に、詳細な内容を決めていこう。
で、ここでいきなり4つ目の台本作成に入っても問題ないが、私はこのフェーズを入れているので触れておく。
解説系では、それぞれで解説する項目を詳細に、それこそこれ以上追加することはないくらいまで考えて書き出していく。
また、ここで何か資料等を入れる場合は、その情報も全て書き出す。
これで一通り出した後、過不足がないかやその順番でいいかを見直し、それを修正していく。
劇場でも同じ形になるだろう。
各キャラクターがどういう行動をそれぞれで起こし、それに対し他がどういうリアクションを取るか、あるいはそれぞれのキャラクターがどういう感情かまで決めると台本が作りやすくなると思う。
次に進む前に、私がなぜこのフェーズを入れているかを軽く補足しておく。
いきなり台詞を考えてもいいのだが、そうすると後で抜け・漏れがあった場合に文言の修正まで必要な場合が出てくる。
それだと逆に手間が増えてしまうこともあるので、先に流れなどを確定させて、それ以上直す必要がない状態にしてから台詞を考えるようにしている。
また、特に二人以上のキャラクターがいる場合の台本は会話形式で作っていくことになり、それを考えていると気づいたら会話内容があらぬ方向に進んでしまうこともあるだろう。
それを防ぐためにも、特に慣れていない初挑戦の方は箇条書きなどで詳細を作ることをオススメする。
台本
ここまで来れば、どんな内容を話すかまで決まった。
あとは、実際に喋らせるための台本を作っていこう。
一つ上で作った詳細の内容を、ナレーションやキャラクターの口調に整えていくだけだ。
これが完成すれば、実際に喋らせる作業に入ることになる。
あらすじが先に決まらない場合
さて、解説や劇場などのあらすじが先に決められるものはまだ作りやすそうだったと思う。
しかし、例えばゲーム実況は、始める前にそこまで細かく決められるわけではないだろう。
特に、そのゲームが初見だったら、その後どんな展開になるかすら分からない。
となると、流れや台本なんてどう作れば…と思うかもしれないが、実はこっちの方が簡単だ。
作れないなら、作らなければいい。
というわけで、こっちの場合の進め方を見ていこう。
やることは至極単純。
まず、実況するゲームと何かしらテーマを決める場合はそのテーマを先に決めておく。
このテーマは、例えば縛りをつけるならその縛りとか、RTAをするならレギュレーションとか、といった感じだ。
初見プレイやコンプリートを目指すプレイなどであれば、そのままそれがテーマになる。
決めない場合はシンプルなゲーム実況となるだけなので、気にしなくてもいい。
同時に、こっちはナレーションではなくキャラクターとして喋ることが多いと思うので、その性格も同様に決めておこう。
次に、ある程度時間を決めて、テーマがあるならそのテーマに沿って実際に録画しながらプレイする。
この録画も、最初はどんな部分が動画に使えるか分からないと思うので、基本的にプレイしている様子を全部録画しておこう。
私の場合、大体10分弱の動画のために最低でも1時間くらいは録画している。
なお、テーマによっては最初にその内容を説明しておいた方がいい。
多くのゲームでは最初に何かしらのイベントがあり、それを見た後くらいで説明を入れてあげると視聴者に親切だろう。
特に縛りプレイや目標を決めている場合、それを厳密に説明した方がより楽しめる動画になるはずだ。
何か作業している様子があれば、それをバックに説明するといい。
そして、台本は録画したプレイを実際に見直しながら作っていくことになる。
…とはいえ、こちらは台本を作るというより、実際に編集しながら直接喋らせた方が早いだろう。
というのも、あらすじを先に決める場合で問題だった、話が最初の想定とブレるというのが非常に起こりにくい。
すでに録画があり、映像はそれ通りに進むので、あまり気にしなくてよくなるのだ。
そのため、プレイを見ながら動画に使うか判断し、使うならその内容を元に喋らせる、という形になる。
編集はまたAviUtlの使い方の記事で解説するので、その記事公開までお待ちいただくか、待てなければご自身で調べながら進めてみよう。
ちなみに、2回目以降はそのまま続きを、同じように録画して喋らせていけばいい。
サンドボックス系など自由度の高いゲームであれば、大まかな方針を決めておくとブレずに進めることができるだろう。
その他
その他と書いたが、一つだけ私が投稿しているうちジャンル自体で流れがほぼ固まっているものがあるので、それを紹介しておこう。
そのジャンルが、料理動画だ。
大抵の動画で、前置き、材料紹介、調理、実食、結びという流れで進んでいる。
たまに例外もあるが、ほとんどはこの形で進んでいるので、料理動画をやってみたいという方はこれを意識しながら撮影に臨んでみよう。
ぱっと考えると材料紹介or調理から実食までが撮影部分になるのだが、前置きや結びで何かしら撮影しておいて入れても面白いかもしれない。
真面目な感じでやるか、お笑い要素を入れるかなど動画の雰囲気も決める必要はあるのだが、料理の場合は撮影がそれによって変わることはあまりないので、撮影を済ませてから決めるでもいいかもしれない。
撮影を済ませてしまえば、あとはゲーム実況と同じようなやり方で進めることになる。
…あまり関係ないことではあるが、撮影の話を書いたので少し補足を。
撮影時に動画にするか写真にするかもお好みでOKだ。
いきなり機材をそろえるお金なんてないという方も、スマホで写真を撮ってそれを使えばいいので、最初はそれで挑戦してみるといいだろう。
その場合も、何が動画に使えるか分からないので、最低でも各工程の前後は必ず撮影しておくように。
動画にしたい場合は、カメラはスマホでもいいが固定する三脚は用意したいところだ。
慣れて継続できそうだったら、カメラやマイクにこだわってみるのもいいだろう。
おわりに
今回は、動画の流れから実際に喋らせる台本作成までの流れを解説した。
ゲーム実況の場合でももっと色々と考えた方がいいという意見もあるとは思うが、本シリーズは初投稿までのサポートだ。
最初からそこまで色々と考えていたらなかなか動き出せない。
そのため、ゲーム実況の方はあえて最低限しか決めないやり方を紹介している。
あれこれ考えるのは慣れてきてからでいいので、まずは作る感覚を覚えていこう。
また、今回はわりと具体的なジャンルで説明したが、大体のジャンルはこの2パターンいずれかに当てはめることができるはず。
参考にする場合、どちらの方が適しているか選んで、そちらを見ていただければ幸いだ。
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