言わずと知れた名作「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」。
ゼルダ初のオープンワールドで、すでに発売から3年以上経っている。
もうやり込んでいる方も多いだろう。
私も最近再開し、特に理由もなくRTA技を練習している。
今回は、SLというものを解説しよう。
これは以前解説したWB、あるいはこれまた別途解説予定のビタロジャンプなどで吹っ飛ばされている時に使うもの。
RTA動画で吹っ飛び直後に何かをするわけでもなく何度かポーズをしているところを見たことがあるかもしれないが、それがこのSLの手順だ。
やり方と原理、ポイントなどを見ていく…前に。
これは技の性質上、他の技以上に本体に負荷をかけることになる。
というのも、無理やり本体に負荷をかけてラグ処理落ちを発生させるのだ。
本編にも書くが、私がSwitchのゲームをプレイしていて初めて強制終了を食らったレベルだ。
そのため、いつも通り何かあっても自己責任で。
そして、私の操作環境は以下の通り。
- Switch
- 本体接続のジョイコン
- ジャイロあり
- キーコンフィグ設定なし
異なる環境では、適宜読み替えてほしい。
特に、これまた本編でも補足するが、SwitchではなくWiiUでやろうとすると難易度が跳ね上がるようだ。
そこにも気を付けておこう。
2021/3/15追記
コメントにて、ラグではなく処理落ちだというご指摘を頂いた。
…言われてみれば確かにその通りで、ラグとはオンラインゲーム等で通信が遅延すること、あるいはそれによって操作を含む様々な処理が遅延すること。
簡単に言ってしまうと、操作を入力してからそれが反映されるまでに時間がかかってしまうような状況がラグの一つになる。
今回のブレワイは単なる画面の処理落ちで、むしろ操作は基本的に遅延しない。
お詫びと訂正をさせていただく。
なお、後半でラグ止まりという言葉はそのまま使っている。
これは一般的にそう呼ばれていて、それがすでに用語として定着しているようなので、ここでもその名前を使用させていただくことにした。
恐らく、上の修正に合わせると処理落ち止まりやシンプルに速度違反等と呼ぶのが正しいのだろうが…そこはご了承願いたい。
SLとは
SL(Super Launch)とは、簡単に言ってしまうと吹っ飛び中に加速する技だ。
元はSSL(Super Speed Launch)と言うらしいが、本記事ではSLと呼ばせてもらう。
このSLだけで言うと、所持品として必要なものはパラセールのみ。
ただ、前述の通り吹っ飛ぶ必要があり、その際にWBをするならWBの、ビタロジャンプをするならビタロジャンプのものも必要だ。
WBは以前解説しているので、以下の記事を参照頂きたい。
ビタロジャンプも解説予定なので、公開したらここにリンクを貼るようにしよう。
20201/1/3追記
ビタロジャンプを解説した。
…解説のリンクを貼ったのだが、高度の問題でSLを練習するならWBの方がオススメだ。
では、先にやり方を。
まず、とりあえず吹っ飛ぶ。
吹っ飛んだら、すぐに画面を特定の方向へ向けておく。
この特定の方向というのは場所や状況によって変わるので、何度もやって掴んでもらうしかない。
これをする理由と方向の大まかな目安は後で解説しよう。
画面を向けたら、吹っ飛び中にクイックメニューを開く。
このクイックメニューとは左の十字キー下以外で開ける武器や盾、シーカーアイテム変更のメニューのことだ。
どれでもいいが、私はシーカーアイテムでやっている。
で、そのクイックメニュー解除直後に、通常のメニューを開く。
左十字キーの上を離した瞬間に、プラスボタンを押す感じだ。
そして、そのメニューを解除する。
ここまで上手くいっているとリンクがカクカクに動くので、その状態で再度プラスボタンで通常のメニューを開く。
最後、そのメニューを閉じるとほぼ同時にパラセールを開けば、スピードが跳ね上がる。
これでSLの完成だ。
なんでそんなことになるかは後で解説するのでいったん置いておいて…先に成功例(だと思う)を見てもらおう。
ツイート内では不安になっているが、このあと改めて比較したところ、やっていない時と比べてスピードが上がっているので成功していると思っている。
速度表示機能があれば嬉しかったが…今度鳥人間コンテストあたりで試してみよう。
SLの原理
他の技に関しては、原理がそんなに難しくなかったり、厳密な部分までは理解できていなくとも行うことができた。
しかし、このSLでは原理の理解が成功に不可欠だ。
そのため、ここも飛ばさずにしっかり読んでもらいたい。
SLの原理を理解するために、そもそもの話をしよう。
このブレワイは、通常30FPSで動いている。
FPS(Frames Per Second)というのは、1秒間に何回画面が描画されるかという数値だ。
この、一回一回の描画されている静止画を、フレームという。
つまり、秒間30フレームが表示されていて、動いているように見えている、という仕組み。
しかし、処理が重たくなる(増える)と、このFPSの数値が変わる。
例えばコログの森やリトの村周辺で、なんか画面がカクつくなという状況を体験したことはないだろうか。
それは、他の処理が大きく、そちらへ処理能力を割いているために画面を描画する回数が減っている状態だ。
ここでは、このFPSが通常より減っている状態を処理落ちと呼ぶ。
細かく検証したわけではないが、単純に半分に減っていると仮定して、15FPSになっていることにしておこう。
さて、ある時点でのフレームと、その次のフレームの間を見てみる。
同じ速度で移動しているとき、30FPSの時と15FPSの時を比べると、フレーム間の移動距離は15FPSの方が2倍になっている。
これがポイントとなる。
では、ここまで把握してもらった上で、SLの原理を。
吹っ飛び中にわざと負担をかけて、無理やり処理落ちさせて15FPSにする。
そうすると、上で解説した通りフレーム間の移動距離が2倍になる。
この状態でポーズをかけ、そのポーズ解除直後にパラセールを開くと、なんと速度自体が2倍になったと本体が勘違いする。
それにより、高速で移動が可能になる。
つまり、SLを発動させるためには処理落ちさせなければいけない、というわけだ。
SL手順それぞれの意味
さて、原理を理解していただいたところで、手順それぞれで何をしているかを見てみよう。
とはいえ、基本は処理落ちのために処理を増やすことを目的としているものが多い。
まず、画面を特定の方向に向けるというのだが、これは処理をかけるためだ。
オブジェクトが多い場所にカメラを向けると、大抵の場合それによって処理が増え、処理落ちしやすくなる。
場所や状況によって異なるといったのは、この処理が増える方向が違うからだ。
上の成功例では、時の神殿跡にカメラを向けている。
あのあたりは、女神像はもちろん壺や朽ちたガーディアンなども多いので、処理が増えやすい…と勝手に思っている。
次に、クイックメニューを開き、その直後に一回目のポーズをかける部分なのだが、実はこれをしなくても成功するときがある。
何のためにしているかというと…成功率を上げるためだと思ってもらいたい。
これまた私が検証したわけではないが、これがないと成功率が一気に下がるらしい。
調べてみたところ、どうやらこのクイックメニューから即ポーズの組合せが処理落ちを起こしやすくするためのもののようだ。
ちなみに、クイックメニューやポーズ中は処理落ちが解除されることはないので、落ち着いてやってもらって大丈夫。
そして、一度ポーズを解除してその後またポーズをかける部分。
ここで、処理落ちした状態を捉えている。
上に貼った動画をよく見てもらえれば分かると思うが、2回のポーズの間はリンクの動きがカクカクしている。
この状態のまま、二回目のポーズをかける必要がある。
逆に言えば、これが見えるようになれば狙って処理落ちを捉えられるので、成功率が上がっていくだろう。
最後、これは原理の中で解説した通りだが、ポーズ解除と同時にパラセールを開くことで、本体を勘違いさせられる、というわけだ。
SLのポイント
さて、このSLも幾つかポイントがあるので見ていこう。
まず、各操作のタイミング。
最初にクイックメニューを開くタイミングは、あまり速すぎると操作の最後でパラセールを開けない状態になってしまう。
放物線状に飛ぶリンクが、最高点より下がってきたくらいであれば大丈夫だろう。
クイックメニュー→一回目のポーズと、二回目のポーズ→パラセールの間隔はほとんど開けてはいけない。
特に前者は、一回目のポーズ解除時にクイックメニューの表示が残っていないと遅すぎなので、注意しよう。
次に、どうしても通常のやり方では負荷がかからない場所で行う場合。
例えば、WBの練習場所としてオススメしたゲルドの街周辺だが、そのオススメの理由でも書いた通り、オブジェクトが少ないせいか処理落ちが非常に発生しづらい。
2時間近くここでWB+SLの練習をしていたが、SLが1回も成功しなかったくらいだ。
で、それでも無理やり成功させる(厳密には成功率を上げる)方法がある。
なんと、VRモードでやるというものだ。
見た目が変わって操作感覚もずれるかもしれないが、これをやると処理落ちが発生しやすくなる。
VRモードへの変更はメニューの設定からいつでもできるし、VRキットも不要。
解除も同じところからできるので、やってみてもらいたい。
ちなみに、ゲルドの街→カラカラバザールでWB+SLが成功すると、一発でオカマのところへ直行できる。
成功しているかの判断も非常に楽なので、WBも併せてここで練習してみよう。
この場合、SLでカメラを向ける方向はゲルドの街がすっぽり入るくらいの方向だ。
この成功例を…動画に撮ろうと思ったのだが、VRモードではSwitchの録画機能が使えないらしく、用意できなかった。
RTAのオールダンジョンなどでこのWB+SLがルートに組み込まれているので、それを見てみよう。
WBの話を出したので、それに絡んだポイントも。
WBのところで解説したが、ラグ止まりという現象がある。
ゲームの最高速度に引っかかり、勢いが殺されてしまう現象のこと。
そもそもこのゲームには最高速度が設定されていて、それを超えると速度が消える設定になっているようだ。
WBを出す際にはこのラグ止まりを軽減するために、できるだけ処理が少ない場所へカメラを向ける必要がある。
そのままSLをする際は逆に処理を増やす方向にカメラを向けなければいけないので、非常に忙しい。
かなり練習が必要になるので、頑張ってもらいたい。
そして、冒頭にも書いたことだが、プレイするハードによる差もある。
私がやっているSwitchであればいいのだが、WiiUだと処理性能の差によるものか、どうも勝手が異なるようだ。
WiiU版は持っていないので検証できないが、その際の注意点なども是非調べてからやるようにしよう。
最後、これは成功率を上げるとかではなく、そもそもSLをやろうとする場合。
…冒頭にも書いた通り、プレイしていて初めてエラーを吐いて強制終了を食らった。
状況としては、BtBからのSLができるか気になって試そうとしていた時だ。
具体的には一回目のポーズを開いたとき、音はしたのだが実際にはメニューが出てこず、そのままエラー。
多分、ただでさえ高速移動で処理が重たくなっていたところへ余計に負荷をかけたせいで、処理が追い付かなくなったのだと思う。
このように、致命的なエラーの原因になりかねない。
今回はただゲームが落ちただけで済んだが、これでおかしなことになっても自己責任でお願いしたい。
また、これをやって故障したからといって、任天堂に文句も言ってはいけない。
おわりに
今回は、SLを解説した。
ざっと手順をまとめよう。
- 吹っ飛び中に、処理の重たい方向へカメラを向けておく
- クイックメニューを開き、解除直後に一回目のポーズをかける
- ポーズ解除後、処理落ちした状態で二回目のポーズをかける
- ポーズ解除と同時にパラセールを開いて完成
とりあえず原理は理解しておいて、最初は成功例を見様見真似でやってみるのがいいだろう。
ただ、このSLの前にWBやビタロジャンプなどもできるようにしておく必要があるので、そちらの練習も忘れずに。
そして、しつこいようだが、これは他の技以上に本体に負荷をかけることになる。
その点はご了承の上、やるなら自己責任でチャレンジしてみてほしい。
当ブログでは、他にも色々なグリッチ技を解説している。
その技たちを以下の記事にまとめた。
今後も追記する可能性は十分あるので、もし興味があればこちらも覗いてみて欲しい。
コメント
カクつきが発生する状態は「ラグ」ではなく「処理落ち」です。
「ラグ」は通信系のゲームにおける通信遅延を指します。
通信遅延によるフレーム待ちで処理落ちする場合は「ラグ」ですが
オフラインゲームであるbotwでは「ラグ」ではなく単なる「処理落ち」です。
ご指摘ありがとうございます。
申し訳ありません、おっしゃる通りですね…
記事を修正させていただきます。